フィジオテンダートレーニング (P.T.T.) の歩み
フィジオテンダートレーニングは、㈱ラヴィがチーフインストラクターである牧野圭子とともに、1994年より研究開発を進めてきたオリジナルのトレーニングです。
体操競技の選手として、また、コーチとして、『運動するからだ』と関わってきた牧野の『からだに対する洞察力』がトレーニング開発の推進力になってきました。
原点 ~それは牧野の怪我から始まった~
大怪我
学生時代、体操競技を続ける中で、骨折や捻挫、打撲、肉離れなど、様々な怪我を経験し、そのたびに自分なりにも身体を調整し、選手として復帰し活躍していた彼女したが、ある大会の競技中に、跳馬の着地で失敗し、膝の脱臼という大怪我をしてしまいます。
そのまま救急車で病院へ。
靭帯の完全断裂、半月板の損傷…。
選手生命を絶たれる大怪我でした。
動かない身体
それまで自由自在に身体を動かしていた彼女は、3ヶ月もの間、病院のベッドで寝たきりとなります。歩くことはおろか、立つことさえままならない日々。この時、彼女は生まれて初めて、思うように動かない身体に出会います。
動けないつらさ。動けないことが代謝機能を低下させ、まもなく体調不良。そして、気力低下。
彼女は20代のはじめにからだの老化を体感したと言います。
なぜ動けないの?
なぜ立てないの?
大学で身体について勉強し、人一倍身体を動かしてきたはずなのに、自分の身体をどうすることもできない。
自分の身体がわからない。
「からだって何?」
心と身体が迷子のように遠くはぐれてしまった感じでした。
いつになったら、前のように歩いたり、跳んだり、走ったりできるのだろうか?
前のようにからだを動かすことができるだろうか?
そんな不安と焦りが、彼女を追い込んでいきました。
自分の身体を知ることから
そんな絶望の底にいた彼女ですが、やがて「自分の身体を知ろう」と思いはじめます。
そしてまず彼女がはじめたのは、“事実を見る”ということでした。
骨格、筋肉、内臓、・・・。 「解釈を入れずに、ただ事実だけを見てみよう」と。
“からだ”は、どのようにつくられているのか。
そして、その事実が自分の身体の中にあることを、一つ一つ確かめるように感じようとしていきました。
「からだは在り方を知っている。知らないのは自分だったのではないか。」
彼女はそう考え始めます。
からだに対する新たな視点。
自然の摂理の存在。
そこから生まれてくる気づき。
リハビリの毎日。
長生療術での学び。
彼女は、手を動かす・足を動かす・座る・立つ・歩く・・・という動きをからだの内側の感覚をつなげることで新たに取り戻していきました。
『地球に立たせてもらっている』
彼女がよく使うこの言葉は、その時の実感そのものなのだと思います。
その後、彼女は体操指導者としての道を歩み始めます。
やがて結婚。出産と育児を通して、さらに『からだ』に向き合うこととなり、
その後もからだへの探究心は、ますます高まり続けます。
身体への希望
重力がある。 引力がはたらく。
建物が立っているように私たちも力を入れずに立つことができる。
自然の理にかなった動きがあり、自然の理にかなったからだの在り方がある。
それがどういうことなのかを探求し続けたい。
からだはもっと軽く、もっと楽に動かすことができる。
からだの動きには基本の感覚があること。
からだを知ることは、自分を知ること。
からだを知る面白さ、からだを動かす楽しさ。
からだを元気にする力は、自分自身の中にあること。
誰のからだにも可能性があること。
彼女はそれを多くの人に伝えたいと思うようになります。
そして、彼女は自宅の一室で「からだの教室」を始めました。
牧野圭子を中心に㈱ラヴィとして研究開発に取り組み始めたのは1994年(平成6年)11月。
以来、「自然体としてのからだの在り方の探求」をテーマに、現代を生きる私たちのからだの在り方、姿勢の意味、生き生きとした軽快なからだづくり、からだのケア、動きの基礎感覚などについて、老若男女、全ての年代の方々を対象にレッスンや講演でお伝えしながら、研究開発を進めています。
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チーフインストラクター 牧野 圭子
KEIKO MAKINO
【プロフィール】
日本女子体育大学 体育学部卒業
同大学助手、及び、器械体操競技部コーチを経て、
朝日生命体操クラブコーチ在職中に、
日本体操協会ナショナル強化部・審判部に所属する。
株式会社ラヴィにてフィジオテンダートレーニング開発の中心を担う。
現在、フィジオテンダートレーニングのチーフインストラクターとしてレッスン、講演、講座等、様々な場面で活躍している。
【主なコーチ暦】
■神戸ユニバーシアード大会:女子器械体操競技チームリーダー
■ユーゴスラビアユニバーシアード大会:女子器械体操競技チームリーダー
■パンパシフィック(環太平洋)ジュニア大会:女子器械体操競技コーチ